Illustratorの使い方には慣れましたか?「よく使うツールで操作に慣れる①」では図形や線を作成し、色を変更したり変形ツールで回転させました。
今回はその続きとして「クリッピングマスク」と「パスファインダー」を使います。
クリッピングマスクは、画像やオブジェクトを切り抜いたように見せる加工を言い、またパスファインダーは、合成や分解で複雑なオブジェクトを形成するときに使います。
実務に近いテクニックで、オリジナル性のあるロゴやイラストを作るための練習をしていきましょう!
目次
クリッピングマスクで画像をトリミング
まずは画像をアートボードに用意します。 ファイル>配置をクリック。 画像は素材サイトなどで事前に準備してくださいね。サイズは自由です。

ダイアログから配置する画像の保存場所を開き、対象のファイルをクリックします。

画像が配置されました。サイズを調整する場合は、右のパネルからプロパティを選び、Wで幅を、Hで高さを変更します。プロパティパネルがない場合は、メニューバーのウィンドウ>プロパティから表示してください。
サイズ横にある鎖のマークをクリックすると、縦もしくは横の数字を変えたときにもう一方を自動調整してくれます。

次にトリミングする大きさのオブジェクトを用意します。ツールボックスから長方形ツールを選び、任意のサイズで作成。わかりやすいように塗りつぶしておきましょう。

オブジェクト同士を重ねる前に、トリミング用に作成したオブジェクトの重ね順を手前にします。図形を選択した状態で右クリック。出てきたダイアログから重ね順>最前面の順に選択。

図形を画像の上に重ね、2つのオブジェクトを選択した状態にします。オブジェクト>クリッピングマスク>作成の順にクリック。
2つのオブジェクトを選択する場合は、すべてをドラッグするか、Shiftキーを押しながら各々をクリックする方法があります。

クリッピングマスクの完成です!東京駅がよりピックアップされましたね。拡大縮小ではこのような調整は難しく、また元画像を変更することなくトリミングできます。

ショートカットキーCtrl+7でクリッピングマスク、Ctrl+Alt+7でクリッピングマスクの解除ができます。
パスファインダーで複雑な図形をつくる
パスファインダーには大きく分けて2種類あり、それぞれ形状モード、パスファインダーと呼ばれます。予めメニューバーのウィンドウ>パスファインダーでパネルを表示し、 長方形を二つ作成後、選択した状態にしておきましょう。

形状モードとは
形状モードは以下の4種類です。パスファインダーとは異なり複合シェイプを作ることができます。複合シェイプとは、合成前の状態を保ちながら合成したように見せる機能で、オブジェクトを合成した後も複合シェイプの解除で元の状態に戻すことができます。クリッピングマスクと少し似ていますね。
- 合体
- 前面オブジェクトで型抜き
- 交差
- 中マド
合体
二つのオブジェクトを合体します。色は前面のオブジェクトに影響されます。

前面オブジェクトで型抜き
前面のオブジェクトと重なった部分が型抜きされます。

交差
オブジェクトが交差した部分だけが残ります。色は前面のオブジェクトに影響されます。

中マド
オブジェクトが重なった部分だけが消えます。色は前面のオブジェクトに影響されます。

パスファインダーとは
パスファインダーは以下の6種類です。パスファインダーは形状モードと異なり、複合シェイプはできません。合成、分割後はグループ化されます。
- 分割
- 刈り込み
- 合流
- 切り抜き
- アウトライン
- 背面オブジェクトで型抜き
グループ化の解除方法は、オブジェクトを選択した状態で右クリックし、グループ解除を選びます。

分割
重なっていたオブジェクトがすべて分割されます。

刈り込み
背面のオブジェクトから重なっていた前面部分が取り除かれます。

合流
今回のように色が違う場合は刈り込みと同じ、色が同じ場合は合体されます。

切り抜き
オブジェクトが交差した部分だけが残ります。色は背面のオブジェクトに影響されます。

アウトライン
オブジェクトのアウトラインを残し、取り除かれます。線の太さを変更することでわかりやすくなりますよ。

背面オブジェクトで型抜き
背面のオブジェクトと重なった部分が型抜きされます。

シェイプ形成ツールを使ってみる
同様の作業をシェイプ形成ツールで行うことができます。ツールボックスから同アイコンを選び、矢印にプラスのマークが出た状態でオブジェクト内に線を引きます。合体させることができました!

Altキーを押すと矢印にマイナスのマークが出るので、押したまま重なった中心部分をクリックします。中マドができました。

今回はクリッピングマスクとパスファインダーの使い方をご紹介しました。パスファインダーは形状モードとパスファインダーの2種類に分かれており、複合シェイプを使うかなどを考慮して全10種類から選ぶようになります。
長方形ツールをメインで使ってきましたが、楕円形や多角形ツールも取り入れてロゴやキャラクター作成に活かしてみてくださいね。