インターネット接続に使われるIPアドレス。ルーターを通した方法が一般的ですが、リモートワークのように遠隔からの作業ではセキュリティにやや不安があります。
安全にネットワークにつなぐなら「VPN接続」が安心です。理由は(仮想の)専用線内で暗号化されたデータの送受信が行われるためです。仮想と言われるのは、工事なしに回線を増やすことから呼ばれ、セキュリティに問題はありません。
別途固定IPを用意すると接続元の相手が予め分かるので、不正なアクセスを防ぐことができます。VPNと併用するときは、専用プランに変更するか、専用のプロバイダーと契約してくださいね。
IPアドレスとは
IPアドレスとは、インターネットに接続する際に利用されるネットワーク上の住所のことをいいます。0~255の数字を4つ組み合わせたものをIPv4、6つのものをIPv6と呼び、各通信機器に割り振られています。
さらにネットワークの範囲により「プライベートIPアドレス」と「グローバルIPアドレス」の2つに分けられます。家庭など特定範囲のIPアドレスは前者、全世界では後者となります。
共に、IPアドレスに変動のない「固定IPアドレス」、自動で変わる「変動IPアドレス」という割り当ての方法があることから、以下のようにまとめられます。
プライベートIPアドレス | 固定IPアドレス 動的IPアドレス |
グローバルIPアドレス | 固定IPアドレス 動的IPアドレス |
今回のように自宅から会社のサーバーにアクセスしたり、自宅のサーバーをネット上に公開したいときに変動しない固定IPがあると便利です。
VPNとは
VPNとは、WANをLANのように使う後付けの専用線と考えてください。
インターネット接続に使う機器といえばルーターですね。まずパソコンからルーターにつなぐときは、192.168.などとはじまるプレイベートIPアドレスが使われます。この接続は「LAN」と呼ばれ、家庭や企業という特定範囲のネットワークを利用する接続方法をいいます。
これに対となるのは「WAN」という接続方法です。ルーターを通した後インターネットにつながりますが、先ほどとは異なるグローバルIPアドレスが使われます。こちらは全世界対象(インターネット)のネットワークを利用する接続方法をいいます。
まとめると「VPN」は「WAN」のようにインターネット上でアクセスできる一方、「LAN」のように特定範囲、個人からの回線をまた別の専用線という形で接続する方法といえます。
固定IPを取得
固定IPを取得するときは、専用のプロバイダと契約する必要があります。
各社の手順に従ってアカウントの作成、支払方法の選択を行い手続きを完了してください。契約後、メールで契約内容が届くので、記載されているサービス名、サーバー情報、割り当てIPアドレスを確認しましょう。
VPN接続手順
Windowsメニューから設定を開きます。「ネットワークとインターネット」を選択。

「VPN」を選択。

「VPN接続を追加する」を選択。

「VPN接続を追加」にある6項目を契約内容と照らし合わせて入力します。

入力する内容は下記の通りです。②の接続名は自由に設定できます。
- VPNプロバイダー
- 接続名
- サーバー名またはアドレス
- サインイン情報の種類
- ユーザー名
- パスワード
「VPNの種類」は自動を除き5つあります。PPTPは設定が簡単でよく使われるプロトコル(通信規格)です。

比較対象の上、適切なものを選びましょう。
種類 | セキュリティ | スピード | 互換性 |
---|---|---|---|
PPTP | △ | ◎ | ◎ |
L2TP/IPsec | ◎ | △ | 〇 |
SSTP(PPTP上位版) | 〇 | 〇 | △ |
IKEv2 | ◎ | 〇 | 〇 |
VPN接続を確認
設定完了後、パソコン画面の右下にあるインターネットアクセス(利用できるネットワークの表示)に設定した接続名のVPNが表示されます。

IPアドレスを確認
「IP調べる」と検索すると現在インターネットへ接続しているグローバルIPアドレスを確認できるサイトが出てきます。
ここで契約内容に記載のある「割り当てIPアドレス」が表示されていれば固定IPで接続できています。

既存のインターネット回線に加えて固定IPを取得し、VPN接続をする場合と、VPN接続を目的とした回線プランやサービスに切り替える場合とで手続き方法が異なることがあります。詳しくは直接プロバイダに問い合わせることをおすすめします。
契約自体を変更するのは時間がかかりますから、無料体験期間を使って専用線がどのようなものか試してみてくださいね。